チーム医療
当院は、透析療法に特化した医療機関です。透析療法はチーム医療を実践して初めて最大の効率を生む他に例を見ない医療と言えます。わたし達が掲げている目標は「より良い透析医療を実践すること」です。
その為には職員のスキルアップと効率的なチーム医療の構築が不可欠です。チーム医療は、患者さんにとっても職員にとっても効率的で安全なシステムです。しかし、そのシステムを運用していく為には前提となる条件がいくつかあります。チーム医療を構成するメンバーが目標を明確に理解している事。チームの中での自分の役割を具体的に認識している事。そして、常に医療人としてのスキルアップを欠かさない事です。それが浸透していないと、チーム医療は形骸化してしまいます。チーム医療の成否は、いつもこの点に帰結し、当院も例外ではなく、常に軌道の微修正を行っています。
当院のチーム医療は、大きく分けて7つの部署で構成されています。①医師、②看護師、③臨床工学技士、④看護助手、⑤栄養士を含む調理専門スタッフ、⑥事務、⑦環境整備です。わたしの考えるチーム医療とは、各々の部署の核となる業務以外は、総ての部署が共有する業務であり、そこには職種間の垣根など存在しない、相互連携の透析患者の為のチーム医療です。
「仕事は奪い合うものであり、誰がやってもいい仕事は誰でもするのが基本」と職員に言い続けています。例えば、多くの病院では、患者さんの前にゴミが落ちていた場合、医師・看護師はゴミを拾いません。ゴミを拾うのは掃除の人の仕事であって、自分の仕事ではないと認識しているからです。これは大きな間違いで、誰がやってもよい仕事に職域はない事がわかっていないからなのです。当院では「誰がやってもいい仕事は誰でもするのが基本」を徹底し、高次元でのチーム医療を目指しています。
その為には職員のスキルアップと効率的なチーム医療の構築が不可欠です。チーム医療は、患者さんにとっても職員にとっても効率的で安全なシステムです。しかし、そのシステムを運用していく為には前提となる条件がいくつかあります。チーム医療を構成するメンバーが目標を明確に理解している事。チームの中での自分の役割を具体的に認識している事。そして、常に医療人としてのスキルアップを欠かさない事です。それが浸透していないと、チーム医療は形骸化してしまいます。チーム医療の成否は、いつもこの点に帰結し、当院も例外ではなく、常に軌道の微修正を行っています。
当院のチーム医療は、大きく分けて7つの部署で構成されています。①医師、②看護師、③臨床工学技士、④看護助手、⑤栄養士を含む調理専門スタッフ、⑥事務、⑦環境整備です。わたしの考えるチーム医療とは、各々の部署の核となる業務以外は、総ての部署が共有する業務であり、そこには職種間の垣根など存在しない、相互連携の透析患者の為のチーム医療です。
「仕事は奪い合うものであり、誰がやってもいい仕事は誰でもするのが基本」と職員に言い続けています。例えば、多くの病院では、患者さんの前にゴミが落ちていた場合、医師・看護師はゴミを拾いません。ゴミを拾うのは掃除の人の仕事であって、自分の仕事ではないと認識しているからです。これは大きな間違いで、誰がやってもよい仕事に職域はない事がわかっていないからなのです。当院では「誰がやってもいい仕事は誰でもするのが基本」を徹底し、高次元でのチーム医療を目指しています。
チーム医療と今後の課題
理想のチーム医療を追求する事は簡単な事ではありません。 かなり厳しくスキルアップが求められるあまり、人間関係を構築する潤滑油が時には不足する事もあります。理想を追求しすぎて、余裕がなくなり、結果としてチーム医療の連携にヒビが入りそうになる事もあります。しかし、この問題はチーム医療に限った事ではありません。人間関係の常でもあります。この状況こそ、より連携を強める良い機会と捕らえ、問題点を明確にして解決に当たっています。そしてもうひとつ重要なものがあります。それは、内部の不具合(波)をいかなる場合でも外部(患者さんやその家族、対外業者)には届かないシステムを構築することです。何かしらの問題が発生することは多々あります。そしてその波紋は高く、低く、様々な形で広がって行きますが、その波をスタッフが2重、3重の壁となって、外部に出さないようにする事。すなわち、医療の中に「防波堤」を築くことが大切です。その防波堤の強度を上げる事も重要な課題です。万が一防波堤が打ち破られた時には、それがシステムエラーなのか、ヒューマンエラーなのかを見極める事がより堅牢なシステムへ進化させる鍵となります。システムエラーであれば不具合を突破された部分を検証し、再発防止策を企てればより強固な「防波堤」が築き上げられます。しかし、システムが機能しているにも関わらず、そこからはみ出る行為をする人がいた場合、システムがだんだん歪められ、ミスが大きくなってから発現することがあります。エラーの検証を常日頃より繰り返す事によって、組織全体のリスクマネージメントが可能になってきます。
今後、当院のチーム医療の最重要課題は、職域を横断的に管理する新しい役割の創設だと思います。各部署の問題点を総括的に判断し、解決していくシステムをインストールすることです。このような事ができる人材が育つかどうかが、当院のチーム医療を評価する1つの指標となると思っています。現在のチーム医療を進化発展させて、いつでも胸の張れる透析医療を実践していきたいと考えています。
透析医療の本質と医師の役割
21世紀において、透析療法はそれなりの設備が整った施設であれば、どこでも同じ治療を受けることが可能になりました。水処理能力の向上やダイアライザー(膜)の血液中の老廃物除去性能の進化、透析関連機器の技術進歩等がその要因として挙げられます。しかし、透析療法を学べば学ぶほどある信念に傾倒する自分を発見します。それは『透析療法の真髄は非透析日にあり』という事です。"本当の透析治療"とは非透析日における自己管理が最も重要であり、非透析日の過ごし方が患者さんの予後を左右するといっても過言ではありません。1回4時間の透析は同じダイアライザー、同じ水処理をした透析液を使用すれば、世界中どこで施行してもこの4時間の透析効率は同じです。しかし、国や施設によって治療効率や生存率が異なるのも事実です。それはその施設がどれだけ透析間の水分食事管理(自己管理)指導を患者さんにできるかの差によって生じていると思うのです。
どんなにテクノロジーが進歩しても、透析療法の本質は水分食事管理に帰結します。だからこそ、当院では透析食に力を入れています。病院で出す食事が患者さんの手本にならなくてはいけないと考えるからです。透析食をおいしく魅力あるものにしなければ継続性のある食事指導は不可能であると思います。
さて、透析療法にとってもうひとつ忘れてはいけないものがあります。それは、医師の役割です。現代の医学では、皮膚疾患は皮膚科、耳の疾患なら耳鼻科と、症状別に受診する科が変わります。しかし、腎不全という病気には、様々な合併症が付きまといます。必然的に腎不全患者さんに起こりえる全ての疾患の基本的知識がなければ、"本当の透析医"とは言えず、頭のてっぺんから足の先まで全てを診ることができないと勤まりません。内科、外科、皮膚科、整形外科、耳鼻科、循環器科…人の体に起こりえる全てを読み取る能力を絶えず磨いておかなければならないと思います。わたし達の守備範囲を超える専門的な治療を要する場合は、いち早くその道の専門診療科を予約し受診させます。透析治療中の概ね4時間という時間の中で、極些細な患者さんの変化でも読み取る事が出来るのか。この患者さんの体が今何を訴えようとしているのか。スタッフと共に素早くキャッチして、大きな問題になる前に解決する道を示すことが、透析医の役割だとわたしは考えています。
ヒューマニズム
医療は自然科学です。病める者がいて、診る者がいる。医療者側は診る義務があり、患者さんは診てもらう権利があります。これが医療者と患者の基本的な関係です。しかし、ただ単に権利、義務を前面にだす医療は双方を不幸へと導きます。医療は権利、義務の前に、ヒューマニズムに裏打ちされていなければなりません。端的には、自分たちが一番大切な人にしてあげたいと思う医療を患者さんにもしてあげたいと言う事を基本としていると思います。わたし達の考え方をしっかりと患者さんにも理解してもらいたいと思います。
当院は見る角度をかえると大変おしつけがましい透析病院です。良いと思う事を徹底的に患者さんに指導するからです。患者さんの耳の痛い事も遠慮なく言わせてもらいます。リンが高い、カリウムが高い、カロリーを取れていない。きっと透析患者さん全てが悩む問題です。しかし、これらは食事管理ひとつで改善できる問題なのです。わたし達が常日頃、非透析日の過ごし方やデータの管理の事を言っていますが、それは患者さんが大切だからです。ヒューマニズムの精神が医療の根源だと考えれば、それは誰しも納得できることだと思います。
進化するということ
H・N・メディックの子育て支援について
当法人では職員の子育てや介護を支援しています。
子育てや介護による医療従事者の離職は、当人のキャリア形成が阻まれるだけでなく、現場での人手不足を加速させます。我が国の少子高齢化、それに伴う労働力人口の減少は今後さらに進むことが必至であり、医療現場でのワークシェアリングの実現は急務ですが、残念ながら医療界でのワークシェアリングは他の業種に比較して進んでいるとは言えません。 H・N・メディックではまず、個々の職員がしっかり育児や介護に取り組めるよう、就労環境でサポートすることに取り組んでいます。